
コトフスクのWildberries倉庫で夜勤労働者たちは、自分たちの雇用主が軍事目標に指定されたことを知らなかった。うち7名が死亡した。さらに数十名が負傷した。同じ週末に攻撃を受けたエレクトロスタリの別の倉庫では、さらに1名の労働者が死亡した。
この攻撃は、ウクライナによる持続的なドローン作戦の一環であり、これまでにWildberriesの十大配送センターのうち4か所を攻撃した。週末の攻撃で推定10億ドル相当の商品が破壊された。水曜日には、新たな攻撃がクラスノダールとネヴィンノムィスクの同社ハブを襲った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、倉庫は正当な標的であり、ロシア軍に「ドローン生産用の制裁対象部品や航法装置」を供給するための「主要物流施設」であると述べた。
この主張が攻撃された個々の建物すべてに当てはまるかどうかにかかわらず、現場での影響は明白である。ロシア最大のオンライン小売業者と、それに依存する数万の中小企業が、修復不可能かもしれない損害を受けている。
プラットフォームの罠
WildberriesはAmazonではない。これはマーケットプレイス型プラットフォームであり、倉庫内の在庫を所有していない。商品は独立した売り手、すなわち中小企業に属しており、これらの企業はWildberriesがロシアの経済活動人口の85~90パーセントにリーチし、特に実店舗のない遠隔地において有効であることから同社を利用している。
ウクライナのドローンが商品満載の倉庫を破壊した場合、損失を被るのはWildberriesではなく中小の売り手である。
最初の攻撃の約2週間前に、同社は不可抗力条項に「ドローン攻撃」を静かに追加していた。売り手は補償を期待していない。
被害を受けた業者から明らかになる話は悲惨な状況を描き出している。子供服を扱うある売り手は、攻撃の前日にエレクトロスタリに納品された140万ルーブル(1万3300ドル)相当の在庫を失った。文房具の売り手は新学期シーズンに向けて送った全商品を失った。10代向け衣料の売り手はこう語った。「Wildberriesとの取引の見通しは非常に不透明です。今のところ、今回の損失を乗り切るための安全策は十分にありますが、さらに攻撃があれば、おそらくもたないでしょう。」
より大きな構図
これらの攻撃は真空の中で発生しているわけではない。ロシアの中小企業は2026年、すでに異常な圧力にさらされている。
付加価値税は1月に国防費の財源として20パーセントから22パーセントに引き上げられた。企業向けの税制優遇措置は打ち切られた。インターネットの遮断とメッセージングアプリへの取り締まりが商取引を混乱させ、モスクワの企業は3月の1週間だけで数千万ドルの損失を被った。ウクライナによる石油貯蔵所と製油所への攻撃に起因する燃料危機が輸送費を押し上げている。そして2026年第1四半期だけで20万9000の中小企業が閉鎖され、前年同期比で9パーセント増加した。
クレムリンの財政的な緩衝材である石油・ガス収入は、2025年上半期比で23パーセント減少している。
ポンペウ・ファブラ大学のルベン・エニクロポフ教授は次のように述べた。「すでに多くの釘があり、そして彼らは釘を打ち続けている。Wildberries倉庫への攻撃は棺桶にさらなる釘を打ち込むものなのか? そう、その通りだ。」
デュアルユース問題
クレムリンはWildberriesが軍需品を扱っていることを否定している。しかし、親ロシア派のブロガーによれば、ボランティアが定期的に同プラットフォームを通じて軍事装備(防弾チョッキ、戦闘用ヘルメット、迷彩服、ドローン用光ファイバーケーブル)を購入しているという。ロイターは、Wildberriesで「ドローン用部品」の検索が結果を返すことを確認している。標的となった4つの倉庫がそのような物資を保管していたという独立した確認はないが、プラットフォーム全体として明らかに軍事サプライチェーンの一部となっている。
これが現代戦争の厄介な現実である。国が軍事物流を一般消費者のフルフィルメントセンターを通じて送る場合、小売と軍需物資の境界線は崩壊する。コトフスクとエレクトロスタリで死亡した8人の労働者は兵士ではなかった。しかし彼らは、設計上であれ過失によるものであれ、ウクライナ人を殺す兵器の供給路として機能するシステムで働いていた。
ロシアもウクライナに対して同じことを行ってきた。Nova Poshtaの郵便ターミナル、ATBの小売倉庫、Roshenの製菓施設を攻撃している。どちらの側の民間経済も免れない報復の応酬である。
在庫が燃えるのを目の当たりにしている中小の売り手にとって、「民間」物流と「軍事」物流の区別は学問上のものでしかない。彼らの貯金は消え去った。彼らの事業は失敗している。そしてドローン作戦が続けば、彼らが依存するプラットフォームも生き残れないかもしれない。
雅子 訳

