
7月8日、アンカラでのNATO首脳会合の閉幕にあたり、ドナルド・トランプ氏はカメラの見守る前でエアフォースワンに搭乗した。飛行機は離陸した。だが大統領はその機にいなかった。ワシントン・ポスト紙とニューヨーク・タイムズ紙の報道(今週に入って米メディア各社が確認した)によると、米当局者がイランに関連する確実な脅威を察知した後、トランプ氏は密かにトラックに移され、空軍のC-32Aという小型の軍用機まで運ばれていた。搭乗はおとりであり、離陸こそが計略だった。
この策略の残りは、舞台作品を手掛けるかのような細心さで遂行された。記者団とホワイトハウス職員は、窓のシェードを下ろすよう指示されたまま、エアフォースワンで先へ飛んだ。この措置は通常、戦闘地域の上空を飛行する際にのみ取られる。大統領は、混雑した駐機場では目立たない小型ジェット機C-32Aで英国へ渡り、そこで職員と報道陣に合流し、世界がアンカラで彼が搭乗するのを見たあの機体で帰国の旅を終えた。この渡航を取材した記者団は、この一件が報じられるまで、自分たちがおとりの目に見える半分として飛んでいたことを知らなかった。
この脅威は新しい情報ではなかった。ガーディアン紙は早くも7月24日、イランと連携する代理勢力による脅威のため、トランプ氏はトルコを離れる際に機を変更したと報じていた。同氏は首脳会合にはカタールが寄贈した新しいボーイング747-8で向かったが、この機体は旧型の大統領専用機が備える高度な防衛機能の一部を欠いていることを同氏自身が認めている。これらの報道によれば、シークレットサービスの勧告は、防衛の弱い機体から大統領を降ろし、その移動を公表せずに国外へ出すことだった。
トランプ氏は危険を認めるのを渋ってきた。当初はリスクを一切否定し、帰路の飛行中には、詳細は明かさずに、自ら暗殺未遂と呼んだ事態に言及した。ホワイトハウス広報部長のスティーブン・チュン氏は、AFPが伝えた声明でより率直に、米国の敵の多くが大統領を照準に捉えており、政権はこうした脅威に対処するためあらゆる手段を講じていると述べた。この二つの立場を合わせて読めば、戦争の全体像が浮かび上がる。大統領は心配する必要は何もないと言い、治安機関は心配すべきことはすべてあるかのように行動する。
この一件は、イラン紛争というより大きな歴史に属する。戦争は2月、米国とイスラエルによる攻撃で始まった。テヘランは幾度も報復を約束し、米当局者は数カ月にわたり、暗殺計画を噂ではなく現実の脅威の一分野として扱ってきた。米国の元首が今やケータリング用トラックやおとりの飛行機で首脳会合を後にしているという事実は、戦争自身の見出しがめったに捉えない戦争の一面だ。戦闘は海峡やミサイルの応酬だけにあるのではない。それは、戦争を命じた人物の旅程にも、護衛の人員配置にも、どの飛行機で彼を帰国させるかの選択にもある。
この光景には示唆に富む皮肉がある。政権は、紛争は順調に進んでおり、海峡は開いており、イランは守勢に立たされていると繰り返し主張してきた。しかし治安機関は、その行動によって別のことを語り続けている。戦争に自信を持つ大統領におとりの飛行機は不要だ。おとりを必要とする大統領は、完全には制御できない戦争を戦っているのである。カメラは、アンカラで彼がエアフォースワンに乗り込む姿を捉えた。トラックは彼を運び去った。カメラこそが狙いだった。トラックこそが真実だった。
雅子 訳

