世界最高の半導体を生み出す台湾、自国軍ではAI活用に課題

台湾は世界で最も先進的な半導体を生産しています。米国の戦闘機やミサイル誘導システム、ドローンの群れ運用など、世界の最先端軍事システムを動かす半導体の大半は、この島で製造されています。しかし、台湾自国の軍隊は、それらの半導体が可能にする人工知能(AI)ツールの導入に苦慮しています。

Fanny Chao氏とSam Bresnick氏による分析がWar on the Rocksに掲載され、台湾における軍事AI導入を阻む六つの障壁が指摘されました。描かれているのは、他国のために最先端のハードウェアを生産しながら、自国防衛は時代遅れのシステムに依存する軍隊の姿です。

第一の障壁は統治の問題です。台湾軍には統一されたAIの枠組みや共通の技術標準が存在しません。各軍が独自の仕様でシステムを開発しており、投資の重複やシステム間の非互換性を生んでいます。紛争時に米軍や同盟国軍と共同作戦を展開する必要がある軍隊にとって、この断片化は致命的な弱点となります。

第二の障壁はデジタルインフラです。台湾軍は遠隔地での通信帯域幅やクラウドストレージ、計算能力が不足しています。高度なAIツールが開発されたとしても、それを運用するネットワークが存在しないのです。

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第三の障壁はデータです。AIシステムの訓練には大規模で整然とした高品質のデータセットが必要です。台湾軍のデータは各部隊ごとに分断され、品質にばらつきがあり、量も不十分です。現存するデータで訓練すれば、AIツールの信頼性は低いものになります。

第四の障壁はサイバーセキュリティーです。台湾の現在の対策は厳格なハードウェア管理とエアギャップ、つまりネットワークを物理的にインターネットから隔離する方式を重視しています。これは、頻繁なソフトウェア更新と幅広いデータアクセスを必要とするAIシステムとは直接的に相容れません。この緊張関係は現実のものとなっています。中国の情報機関は常に台湾を標的としており、台湾軍関係者が北京に情報を漏洩した事例もあります。しかし、すべてを封鎖するという解決策は、同時にAIも締め出しているのです。

第五の障壁は産軍連携です。台湾のハイテク大手企業は世界的リーダーですが、軍はその専門知識へのアクセスが限られています。スパイ行為への懸念が壁となっています。国防省は新世代のドローン製造業者との協力を開始しており、従来のモデルが変わり始めていることを示唆していますが、一貫した戦略は欠如しています。

第六の障壁は人材です。軍隊にはあらゆるレベルでAIの専門知識が不足しています。台湾の兵士たちは中国の日常的な威圧活動への対応や通常任務に加えて訓練強化に追われており、新しいシステムを学ぶ時間はありません。また、リスク回避的な官僚機構が実験を妨げています。

皮肉な結果となっています。台湾の半導体産業こそが、この島が国際安全保障にとって重要な理由です。しかし、それを防衛しなければならない軍隊は、自国の工場が生み出す技術をまだ統合できていません。戦争が起これば、台湾は台湾製の半導体で動作する米国製兵器で戦うことになりますが、指揮統制システムは旧時代のもののままとなるでしょう。

雅子 訳

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