薄れゆくREMの瞬き:眼球運動に富む睡眠段階は女性でより速く老化する

睡眠レポートの上では、REM睡眠は単一で均一な状態に見える。しかしその表示の背後では、脳は非常に異なる二つの動作モードを交互に行き来している。ひとつは急速眼球運動のバーストを特徴とするモード、もうひとつは静かで安定したモードである。学術誌Sleepに掲載された新しいマルチコホート研究は、REM睡眠のこの内部構造が、標準的な睡眠サマリーではまったく捉えられない形で加齢とともに衰退すること、そしてその衰退は女性でより急であることを示している。

ひとつのステージの中に隠れた二つの状態

ファシックREM睡眠は、このステージのうち一過性のイベントが発生する部分であり、最も目立つのは、ステージの名の由来となった急速眼球運動と、筋のぴくつきである。トニックREMはそれ以外の部分であり、同じ脱同期性の脳波と筋アトニアを伴うが、そうしたバーストはない。

ファシック期は頭皮上脳波においてデルタ、シータ、ガンマ帯域のパワーがより強く、トニック期はアルファとベータ帯域の活動がより多い。外界への応答も異なる。聴覚閾値はトニックREM中に低く、脳は外部刺激に対してより高い反応性を示す。そのためトニックREMは、環境への警戒が高まった状態、つまり外界に対する準備態勢が高まった時期として説明されてきた。対照的にファシックREMは、情動記憶の再処理を含む内的処理と関連づけられており、REM睡眠1分あたりの急速眼球運動の数を示すREM密度は、うつ病と心的外傷後ストレス障害(PTSD)で一貫して上昇している。

627人の健康な脳が示したもの

この微細構造が生涯を通じてどう変化するかを明らかにするため、研究者らは5つのデータベースから後ろ向きのポリソムノグラフィー記録を統合した。対象は18歳から80歳の健康な成人627人で、およそ半数が女性である。眼球運動は参加者ごとの振幅閾値を用いて眼電図から自動的に検出され、階層モデルによって年齢、性別、および両者の交互作用が分離された。

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マクロレベルでは、結果は睡眠医学がすでに知っていたことと一致した。REM睡眠の総持続時間とREM睡眠の割合はどちらも加齢とともに減少し、平均すると女性は男性よりわずかにREM睡眠が多かった。

微細構造は異なる物語を示した。ファシックREMの持続時間は加齢とともに減少し、REM睡眠に占めるファシック期の割合は縮小し、ファシック期の回数も減少した。眼球運動の総数とREM密度もどちらも低下した。一方、静かなトニック成分は安定したままであった。その結果、REM睡眠そのもののバランスが変化する。眼球運動に富むモードが減り、静かなモードが増えるのである。

この研究はまた、文献における長年の矛盾も解消する。従来の研究では、REM密度は生涯を通じて安定していると説明されることが多く、その安定性を認知機能の維持と結びつける研究者もいた。今回の研究では、はるかに大きなサンプルにおいてREM密度が加齢とともに明確に減少しており、これは減少を報告していた少数派の研究と一致する。

マクロレベルに隠れた性差

最も顕著な結果は性別に関するものである。ファシックREMの持続時間そのものに男女差はなく、マクロ構造の加齢による変化の軌跡も似ていた。しかし、ファシックREMの割合とREM密度の加齢に伴う減少は、女性の方が有意に急であった。言い換えれば、性別の異なる二人が睡眠レポート上で同じREM持続時間と割合を示していたとしても、その根底にあるREM微細構造は異なる速度で加齢しているということだ。

研究者らは、エストロゲンとプロゲステロンの閉経に伴う変化が、もっともらしい寄与因子であると指摘する。これらのホルモンが睡眠生理を強く形作ることを踏まえれば当然のことだ。また研究者らは、多くの研究で客観的にはマクロ構造上の睡眠が良好であるにもかかわらず、女性は総じて主観的な睡眠の質が悪いと報告していることにも言及しており、これは微細構造が説明に役立つかもしれない長年の謎である。

二つのモードは逆方向に老化する

446人の参加者からなるサブセットに対するスペクトル解析は、第二の層を付け加えた。ファシックREMとトニックREMの周波数成分は、加齢に伴って互いに逆方向に乖離した。ファシックモードでは脳波のシグネチャが徐々に減速し、デルタパワーが上昇する一方でシータパワーが低下した。著者らはこのパターンをスペクトル減速と呼ぶ。トニックREMは逆の方向に進み、加齢とともにアルファパワーとベータパワーを増やしたが、減速はみられなかった。

この乖離が重要なのは、REM睡眠におけるデルタ活動の増加が、これまでの研究で記憶固定の障害や、アルツハイマー病の神経病理学を含む病的加齢のマーカーと関連づけられてきたためである。著者らは、この減速はファシックモードに特異的であり、REM睡眠の加齢に一般的な性質ではないと強調している。

なぜ重要なのか

標準的な睡眠ステージングはファシックとトニックの区別を捨て去るが、この研究は、捨てられた情報が実際のシグナルを運んでいることを示唆する。ファシックREMは健康な成人で加齢とともに目に見えて減少するため、期待される軌跡からの逸脱は、精神疾患や神経変性疾患における加速的な変化を検出するための参照点となり得る。REM睡眠は、うつ病、PTSD、パーキンソン病で障害されることがすでに知られている。パーキンソン病では、運動症状の数年前にあたる前駆期にREM睡眠行動障害が現れることがある。マクロレベルより先に変化する微細構造マーカーは、疾患をより早く捉える窓を提供するかもしれない。

研究の著者らは、自らの研究をREM微細構造を候補バイオマーカーとして用いるための第一歩と位置づけており、それが臨床的現実になるまでには、周期ごとの分析と患者集団における検証が必要だと警告している。

限界

この研究は後ろ向き研究であり、5つの施設で異なるプロトコルを用いて収集された記録を統合したものである。抗うつ薬の使用などの一部の変数は、系統的に制御できなかった。軽度の睡眠時無呼吸(AHIが5以上15未満)の参加者は除外されておらず、残存する睡眠関連呼吸障害を否定することはできない。眼球運動の検出は自動化されており、スペクトル解析は、すべてのデータベースに共通して存在する唯一の電極であるC3という単一の中心導出に依存していた。著者らは、ファシックとトニックのパワー差が眼電図(EOG)混入の補正後も維持されることを確認した。また眼球運動の振幅そのものは加齢によっても安定していたが、このことはデルタ活動の増加がアーティファクトであるという見方に反論する。

要点

REM睡眠はひとつのものではなく、ひとつのものとして加齢するわけでもない。眼球運動に富むフェーズは成人期を通じて縮小し、その縮小は女性でより速い。一方、静かなフェーズは持続し、両者はスペクトル上で逆方向に乖離する。これらの知見は、次世代の睡眠バイオマーカーがREM微細構造の中に存在するかもしれないことを示している。

雅子 訳

出典

Bertin C, Jeanne R, Bourgin J, Leoncini-Janin E, Wunderlin M, Züst MA, Hot P, Eichenlaub JB. Age and sex-related changes in the human REM sleep microstructure. Sleep. 2026 Jul 31:zsag209. doi:10.1093/sleep/zsag209. PMID 42536402.

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