積み荷を押収すれば船を失う。プーチン氏、欧州に警告

ミサイル巡洋艦「ヴァリャーク」の甲板上、サハリン島沖のどこかで、ウラジーミル・プーチン大統領は、欧州の制裁戦略をそのまま跳ね返す警告を発した。欧州諸国がロシアの積み荷を運ぶ船舶を拿捕すれば、モスクワも同様の措置で応じる。その場所もロシアが選ぶ、とプーチン氏は水曜日に述べた。極東での海軍演習を視察中のロシア大統領は、ロシアは同様の措置で応じざるを得ず、必要かつ適切と判断する場所ならどこでも行動できる、と記者団に語った。

この脅威は抽象的ではなく、引き金は具体的だ。先月、EUはシャドーフリート(影の船隊)の船から押収した石油やその他の物品を加盟国政府が売却できるようにする制裁パッケージを可決した。シャドーフリートとは、西側の規制を無視してロシア産原油を運ぶ老朽化したタンカー群のことだ。欧州の海軍や企業はすでにそれらの船舶の迎撃を始めている。EUのイリニ(IRINI)任務は8月初め、地中海でシャドーフリートのタンカー1隻に乗り込んだ。スウェーデンの裁判所文書によれば、ストックホルムは拿捕したロシア船をキーウに引き渡す方針だ。その船は占領下のウクライナから穀物を運んでいた疑いがあるという。欧州側はもはや船舶を拘束しているだけではない。積み荷を押収し、売却し、船そのものを譲渡している。プーチン氏は、その連鎖の次の一手とみなすものを明言した。すなわち、欧州の船を拿捕し返すことだ。

海の上の財産戦争

いま起きているのは、制裁をめぐる戦いが金融の領域から財産の領域へと拡大していることだ。制裁体制が効果を発揮するには積み荷の没収が必要であり、没収した積み荷は拘束した船よりも価値がある。欧州はその算盤に気づき、行動に移した。ロシアの答えは、海上紛争で最も古い論理だ。お前が私の船を取るなら、私もお前の船を取る、というものだ。プーチン氏は欧州による拿捕を海賊行為かつ略奪行為と呼んだ。4年にわたり自国の船隊を近隣諸国に対する武器として使ってきた国の指導者としては奇妙な言い回しだが、モスクワがこの戦いをどう位置づけようとしているかは伝わってくる。商船を先に拿捕した方が海賊なのである。双方とも、相手が先に手を出したと主張している。

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意図的な曖昧さもメッセージの一部だ。プーチン氏は、モスクワがどの欧州船を標的にするのか、どこで、いつなのかを明言しなかった。それがこの脅威の要点である。欧州の旗を掲げるすべてのタンカー、ロシアの水域を通る、あるいはロシアの港の射程内に入る欧州の積み荷を運ぶすべての貨物船は、いまや自分が待機中の人質ではないかと疑わなければならない。不確実性こそが武器だ。この地域に触れるすべての航海で保険料とリスクプレミアムが上昇するからである。価格を算定できない脅威は、算定できる脅威よりも高くつく。

太平洋という舞台は偶然ではない

言葉と同じくらい重要なのは場所だ。プーチン氏は太平洋艦隊の演習中に軍艦の上で演説を行った。米韓両軍が北朝鮮との紛争を想定した自らの軍事演習を行う予定の7日前のことだ。モスクワはワシントンとソウル、そしてアジア太平洋を注視するすべての者に対し、拿捕をめぐる戦いは欧州の海域に留まらないと告げている。ロシア国営メディアは、プーチン氏がNATOによるこの地域への進出を非難したと報じた。よくある不満の種だが、この警告の置き場所こそが本当のメッセージだ。ロシアは太平洋でも欧州の商取引に手が届くし、その練習をしているのである。

懐疑論者の主張にもそれなりの重みがある。ロシアの軍艦による脅しは安上がりだし、欧州の商船を拿捕すれば、モスクワの同盟国でさえ擁護に苦労するような民間対象への攻撃となる。そんな行動は、プーチン氏が避けたいと望むまさにそうした類のNATOによる連携対応を招きかねない。必要ならどこでも応じるという約束は、実際の拿捕の青写真ではなく、欧州各国政府が押収した石油の売却をためらうように仕向けるための抑止の芝居かもしれない。

しかし、その構図は逆方向にも作用する。双方は、この脅威が描くエスカレーションの渦中にすでに深く足を踏み入れている。欧州は没収と売却を行い、スウェーデンは船をウクライナに引き渡し、EUの海軍はタンカーに乗り込み、ロシアは同様の措置で応じると宣言した。それぞれの一歩が次の一歩を取りやすくし、脅しの次の段階は実行である。シャドーフリートは制裁を執行不能にするために作られた。欧州はそれでも制裁を執行することを決めた。プーチン氏は執行の代償が何かを今や明言した。その代償が現実のものとなるとすれば、請求書を支払うのは、戦争とは無関係の商船の乗組員たちであり、ロシアの石油を一度も運んだことのない船の上でのことになる。経済戦争はこうして人質を生む。そして、どちらの側もまだブレーキを見つけてはいない。

雅子 訳

Sources: Al Jazeera, Reuters, Euronews, Firstpost

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