インド洋の海底火山が地球の原始マグマオーシャンの残骸を噴出

国際研究チームは、インド洋の海底火山が地球の原始マグマオーシャンの残骸を地表にもたらしたと発表した。この溶岩は44億6000万年以上前、地球誕生から最初の1億年以内に結晶化したものである。7月1日付の『ネイチャー』誌に掲載されたこの発見は、マグマオーシャンの名残が40億年以上にわたる対流に耐えてマントル内に生き残ったことを示す初の直接証拠となる。

この火山はファニ・マオレと呼ばれ、コモロ諸島のマヨット島の東約50キロに位置する。2018年5月に噴火を開始し、約3年間活動を続け、その大量の溶岩流出によりマヨット島は約20センチ沈降した。

発見の鍵はネオジム同位体にある。ケンブリッジ大学とパリ地球物理研究所(IPGP)のクロディーヌ・イスラエル、およびCNRSとIPGPのカトリーヌ・ショーヴェルが率いるチームは、ファニ・マオレの13の溶岩サンプルについてネオジム142とネオジム144の比率を超高精度で測定し、2年間にわたり100万分の3.1の再現性を達成した。

ネオジム142はサマリウム146の崩壊によって生成されるが、サマリウム146の半減期はわずか1億300万年である。つまり、この同位体系は太陽系形成から約5億年後に新たなネオジム142の生成を停止したことになる。したがって、現在観測されるネオジム142の正の異常は、地球史の最初の1億年以内にリザーバーに固定され、それ以降保存されてきたものでなければならない。

ファニ・マオレの溶岩は平均+100万分の3.2のネオジム142超過を示し、統計的有意性はP=9×10^{-6}であった。ショーヴェル氏は「これは地球科学において多くのことを変えることになる。なぜなら、今や45億年前の地球史のまさに始まりに遡る物質が、火山でサンプリングできるほど十分な量で今なお存在するという証拠を手にしたからだ」と語る。

二つのモデル、一つの勝者

研究チームは異常の説明として二つの仮説を検証した。第一の仮説(信号は浅いマントルで抽出された古い地殻由来とする)では、プリューム源の28〜90%が始生代物質でなければならず、これは45億年にわたるマントル混合に耐えられない非現実的な大容量となる。

第二のモデル(現在有力視されている)は、異常をマグマオーシャン自体の結晶化に起因づける。原始地球が火星サイズの天体(月を形成した衝突体)に衝突されたとき、惑星全体が核とマントルの境界まで広がる全球的なマグマオーシャンに融解した。このオーシャンが冷却するにつれ、ブリッジマナイト(ペロブスカイト構造のMgSiO3)という鉱物が最初に結晶化し、深部マントルへと沈み込み、独特の化学的シグネチャーを運んだ。

53〜97ギガパスカル、3200〜3700ケルビンという深部マグマオーシャンの条件を再現したレーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルによる新たな高圧実験は、ブリッジマナイトがネオジムよりもサマリウムを強く取り込むことを示した。その結果、初期のブリッジマナイト結晶はサマリウム対ネオジム比が最大0.38に達し、バルク珪酸塩地球のほぼ2倍となった。時間の経過とともに、この過剰なサマリウムがネオジム142に崩壊し、今日観測される異常を生み出した。

データに最も適合する混合モデルでは、ファニ・マオレのマントル源にわずか9〜11%の始生代ブリッジマナイトと、約0.4%のリサイクル堆積物質が必要となる。この小さいながらも検出可能な割合は、初期形成固体が数十億年のマントル対流に耐えて生存できることを示す地球力学的モデルと一致する。

CNRSのベルナール・ブルドン氏(本研究には不参加)は「地球の核のサンプルがどうにかして地表まで到達したようなものだ」と述べた。

カーネギー科学研究所のリチャード・カールソン氏は、この同位体測定を「主要な成果」と呼んだ。

その意味するところ

この発見は、マグマオーシャンの結晶化生成物が完全にはマントルに再混合されず、孤立した化学領域として保存されたという長年の理論的予測を検証するものである。また、地球最大の層である下部マントルには、その最も初期の歴史の名残が今なお存在し、適切な火山システムを通じて地表でアクセス可能であることを示している。

月を形成した衝突(マグマオーシャンを生み出した)は約45億年前、地球の初期集積から約5000〜7000万年後に発生した。地獄のような環境にちなんで名付けられた始生代は、現存する最古の岩石が形成された約40億3000万年前まで続いた。ファニ・マオレの岩石は、オーストラリアのジャックヒルズで発見された古代ジルコンよりも古い。

ブルドン氏はチームの分析技術について「技術を機能させるには膨大な作業があった」と語った。

地球化学者にとって、この結果は地球史の最も初期の章への新たな窓を開くものである。マグマの中で書き記され、数十億年にわたって保存され、適切な火山がそれを地表に戻すのを待っていた章である。


出典

  • Israel C, Chauvel C, Inglis E, et al.「Hadean bridgmanite in the source of a present-day ocean island.」Nature (2026). DOI:10.1038/s41586-026-10719-w
  • 「A volcano has erupted remnants of Earth’s primordial magma ocean.」New Scientist, 2026年7月3日. https://www.newscientist.com/article/2532929-a-volcano-has-erupted-remnants-of-earths-primordial-magma-ocean/

雅子 訳

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