誰も署名していないライセンス

7月、米大統領はNATO首脳会議で、ウクライナがパトリオットミサイルの製造ライセンスを取得すると発表した。同氏はこれを、確定事項であり、好意であり、ほとんど冗談のようなものとして提示し、ウクライナはもはや、ワシントンが十分に与えていないと不平を言うことはできない、と述べた。3週間後、キャンプデービッドで、同じ大統領は、米国はそのライセンスに合意していないと述べた。そうした技術を供与するのは難しいことだからだ。発表から撤回までの間、そしてその後の数週間、パトリオットを実際に所有する2社は、何も約束しないよう慎重に振る舞ってきた。ライセンスは演説の中にしか存在しない。誰も署名していない。

この停滞の物語は、互いに接点のない三つの立場の物語だ。キーウは、決定は下されたと言う。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7月、レイセオンの代表団との会談後に同社との共同生産を発表し、今週末にはウクライナのテレビで、決定は米国大統領と他の重要な米国政府機関によって下されたと強調した。約束をした側のワシントンは沈黙しており、米国のNATO大使は8月初め、この冬までに長期的な合意は結ばれないと述べた。そして、エンジニアがウクライナにミサイルの製造方法を教えなければならない企業側は、交渉は初期段階にあり、プロセスは始まったばかりだと述べるだけだ。

ためらいの公的な理由は、実現可能性と技術移転だ。パトリオット迎撃ミサイルは、米国で最も厳重に守られている機密の塊だ。誘導シーカー、固体ロケットモーター、衝突によって破壊する弾頭が含まれる。ライセンスがあっても、米国はまず技術支援協定に署名し、次に製造ライセンスを結び、その後、すでに米国の生産量を制約しているのと同じ、供給が詰まったサプライヤーに依存することになるウクライナの工場を見守らなければならない。独立系の見積もりでは、ウクライナ製の最初の迎撃ミサイルの完成は1年以上先だ。米国のNATO大使はより率直で、米国内でミサイルを製造できるのは米国のメーカーだけだと述べた。

私的な理由は競争だ。米誌アトランティックが引用し、Defense Newsが報じた共和党の議会関係者によると、企業の本当の懸念は、ウクライナがパトリオットを改良し、米国の生産ラインよりも速く、より安く量産することだ。それは、弾道ミサイル防衛能力の独占と、その独占が支える価格を侵食することになる。公の場での説明は、知的財産と技術移転になるだろうと、同関係者は予測した。どちらの理由も現実だ。しかし、動きを止めているのは2番目の方だ。

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このタイミングは、その説を退けにくくしている。約束の数週間後、ロッキード・マーチンはファーンボロー航空ショーで、より安価なパトリオット弾を発表した。価格はおよそ200万ドルで、ウクライナが現在発射する弾に支払っている額の半分未満だ。その数日後、パリで、ウクライナと欧州9か国は、ユーロサム、レオナルド、タレス、サーブとともに、パトリオット弾の価格の約5分の1で済むウクライナ製迎撃ミサイルを基盤とする競合システム、フレイヤ計画を立ち上げた。世界はすでに、パトリオットの価格への答えを築きつつある。ライセンスはもう一つの答えになるはずだった。ところが、安価な迎撃ミサイルから最も大きな損失を被る企業こそが、その迎撃ミサイルを生み出すよう求められている。

人的な計算は変わっていない。ウクライナは通常時、月に60~70発の迎撃ミサイルを発射し、攻撃の波が来た時にははるかに多くの本数を発射する。その間も、ロシアの弾道ミサイルによる集中砲火は続く。中東の戦争は、米国が戦前に保有していた迎撃ミサイルの約3分の2を消費した。そのためホワイトハウスは、ゼレンスキー氏が7月に求めた数百発の迎撃ミサイルを真っ向から拒否した。ライセンスは、その不足から抜け出す道になるはずだった。発表され、撤回され、その後は実現可能性調査に委ねられたライセンスは、この冬、空に迎撃ミサイルを1発ももたらさない。

ゼレンスキー氏は、決定は下されたと言う。大統領はそれを発表し、その後キャンプデービッドで撤回した。技術を所有する2社は、交渉は初期段階にあり、始まったばかりだと述べている。それは進行中の決定ではない。ワシントンとその防衛産業の双方が延期の理由を見つけた約束であり、その理由はウクライナが必要としているものとは何の関係もない。冬は予定通りにやってくる。しかしライセンスは、今のところ、まだ来ていない。

雅子 訳

出典:Defense News、Defence Ukraine、Kyiv Independent、Army Recognition、IEU Monitoring

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