マイクロソフト、自社エンジニア向けAIトークンの割り当て制限を開始

マイクロソフトは、自社でもっとも目立つ内部リソースの一つであるAIトークンの割り当て制限を始めた。404 Mediaが入手した社内メールの中で、エグゼクティブ・バイスプレジデントのジェイ・パリク氏は社員に対し、同社はトークン量を最適化しようとしているのではなく、自社のエンジニアが使うモデルからより多くの価値を引き出そうとしており、各部門には今後AIトークンの予算目標が課されると伝えた。

パリク氏はこの変更を、資源管理の規律という言葉で位置づけた。同氏は、同社が社内ルールを更新し、トークンの消費を他の重要な資源と同じ規律で扱うこと、そして従業員は消費量ではなく、顧客と事業に対する成果で評価されるべきだと記した。エンジニアたちは月に数百ドル、時には数千ドルに上る請求を積み上げており、支出の目標額は示されていない。

同社はまた、より安価な選択肢に手を伸ばした。OpenAIのGPT-5.6が現在マイクロソフト社内の既定モデルとなっており、トークン予算からより大きな価値を得るために選ばれた。これは、マイクロソフトが5月に社内のClaude Codeライセンスの大半を静かに解約し、会計年度の終了前にエンジニアをGitHub Copilot CLIへ移行させていたという報道と、GitHubが6月に、社内利用を生のトークンではなくAIクレジットで請求する従量課金制へ移行した動きに続くものだ。

この出来事は、従業員が消費するトークンの数を生産性の証明とみなす慣行、トークンマクシング(tokenmaxxing)をうかがわせる。この慣行は社内の導入ダッシュボードを飾るが、コストを膨らませる。トークン単価は2022年末から約98%下落しているが、企業のAI支出は約3倍に増えている。その一因は、エージェント型ソフトウエアが、当初の価格水準を決めたオートコンプリート型のやり取りよりも、1件の作業あたりはるかに多くのトークンを消費するためだ。トークン単位で課金されるツールは、シート単位のソフトウエアライセンスとは性質が異なり、財務チームはその違いを踏まえた予算編成をまだ学んでいる最中だ。

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この対策を取っているのはマイクロソフトだけではない。The Next Webは、従業員のAI支出に上限を設けたり抑制したりしている企業として、ウォルマート、AT&T、アマゾン、メタ、ウーバーを挙げている。これは、何でも無料で使える実験段階から調達の規律へ向かう、より広範な変化の一部だ。この時期が注目されるのは、マイクロソフト自身の財務が堅調だからだ。直近四半期は、売上高と営業利益の両方でアナリスト予想を上回った。メールの内容を報じたThe Registerによると、マイクロソフトはこの件について問い合わせを受けた際、付け加えることは何もないとし、AI利用の全体的な削減を求めておらず、単にトークン当たりの効果を高めたいだけだとしている。

メールを404 Mediaに渡した従業員の一人は、上限の設定は、AIインフラを運営する企業が自社の社員に製品を自由に使わせる余裕がないことを認めるもののように感じられたと述べた。マイクロソフトのバランスシートに問題があるわけではないため、その見方はやや大げさだろう。より現実的な説明は、同社が同じ規律を顧客に提供する前に、従量制の経済原則を自社自身に適用しているというものだ。

雅子 訳

Sources: Microsoft tells engineers to curb their token-burning enthusiasm (The Register, Aug 5, 2026); Microsoft Tells Engineers ‘Tokenmaxxing Is Not What We Are Optimizing For’ (404 Media, Aug 4, 2026); ‘Tokenmaxxing is not what we are optimizing for’: Microsoft tells engineer to calm down on AI usage (TechRadar via Yahoo Finance, Aug 5, 2026); Microsoft tells employees to stop tokenmaxxing, sets division-level AI budgets (The Next Web, Aug 4, 2026)

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