
8月5日、欧州でも有数の航空貨物拠点であるライプツィヒ・ハレ空港で、警察が貨物エリアに爆発物を搭載したドローンを発見し、これを処理した。ドイツのアレクサンダー・ドブリント内相は、これは新たなレベルの危険だとして、捜査当局はこの事件を専門的なハイブリッド脅威シナリオとして扱っていると述べた。誰かが爆弾を組み立て、それを航空機に取り付け、ドイツの物流の中枢に向けて飛ばしたのである。
2日後の8月7日には、パトリオット防空システムを整備するドイツの軍事基地の上空で6機のドローンが確認された。2件の事件は同じ週に同じ国で発生し、同じ標的、すなわち欧州を武装させ続ける機構を指していた。ライプツィヒ・ハレ空港は、DHLが大陸の貨物のかなりの部分をさばく拠点であり、基地は同盟国の領空を守るシステムを維持している。標的は、損害をもたらすことと同じくらい、関与を否認できることも重視して選ばれた。ケーブルは漁網で切断できるし、小包は自然発火することもあるし、貨物室で見つかったドローンは誰のものであってもおかしくないからだ。
8月10日までに、米情報機関は結論に達した。米メディアの報道によれば、ライプツィヒの装置の背後にロシアがいるとみている。ベルリンは公にはそう述べていない。この沈黙は、過去2年間に欧州全域で起きた一連の事件に続くものだ。バルト海の海底ケーブルの切断、倉庫で燃える小包、重要インフラの上空を飛ぶ不審なドローンなどである。ドイツは、ウクライナへの軍事援助では単独の国家として最大の供与国となっている一方で、モスクワが自国領域で破壊活動、スパイ活動、偽情報からなる影のキャンペーンを展開していると非難してきた。
新たな境界線は武器ではなく、場所にある。発電所へのミサイル攻撃は戦争行為だが、貨物エリアに着地するドローンに搭載された爆弾は、意図的に曖昧で、否認可能で、ほぼ同等の破壊力を持つ。計画が成功していれば、空港は数日間閉鎖され、貨物は滞留し、捜査当局はそれが戦争なのか、テロなのか、事故なのかを判断するのに数週間を費やしただろう。その曖昧さこそがハイブリッド戦争の要点である。攻撃を受けているかどうかを、標的側に自問自答させるのだ。
ドイツは今まさにそれを実行している。内相は新たなレベルの危険について語る一方で、政府は疑っている国を名指しすることを避けている。米国の評価はその国を明確に名指しするが、ドイツ政府の法律家たちは、どの表現なら安全かをいまだに検討している。その間もドローンは飛来し続け、貨物は動き続け、危うく標的になりかけた空港は、装置が見つかることなどなかったかのように稼働し続けている。
ウクライナ戦争には第二の戦線があり、それはライプツィヒのような場所を通っている。そこでの戦いは、師団の代わりにドローンで、塹壕の代わりに貨物室で、戦線の代わりに兵站を相手に行われる。爆弾は処理され、基地は攻撃されず、死者も出なかった。それは良い知らせであり、同時に要点でもある。このキャンペーンは、成功する必要がないのである。事件はそれぞれ対応を強要し、その対応はそれぞれ金と注意力を費やさせる。そして、対処されないままのドローンは毎回、防御の弱点がどこにあるかを敵に教える。ドローンは一度、すり抜けた。それは再び、別の場所に送られるだろう。欧州は、次はどの空港なのか、どのケーブルなのか、どの倉庫なのか、推測し続けることになる。
雅子 訳

