
中国は上海から欧州へ、過去最多となる電気自動車を輸送した。これらは中国製の新世代自動車運搬船によって運ばれており、それ自体が産業的野心の表明でもある。国営系メディアが今週報じたこの輸送は、世界のEV市場を支配し、顧客に車を届ける物流チェーンを掌握する中国の取り組みにおける新たな節目となる。
この船舶は、10,800台収容可能な世界最大級のロールオン・ロールオフ船で、中国船舶工業集団の子会社である広州船舶国際によって建造された。液化天然ガスを動力とするデュアルフューエル設計で、排出ガスを削減し、貨物の環境対応姿勢を高めることを目的としている。上海の南通ターミナルを出航し、中国の単一港から積み込まれたEVとしては過去最多を記録した。
今回の記録的な輸送は、中国・欧州間のEV貿易に緊張が高まる中で行われた。欧州連合は2024年10月、標準の10%の輸入関税に加えて、BYD車には17%、SAICモデルには35.3%というブランド別の相殺関税を課した。現在は最低輸入価格枠組みの最終調整が進められており、中国メーカーが制裁関税の代わりに下限価格を設定することが認められる方向で、両陣営ともこの妥協案を受け入れる姿勢を示している。
こうした状況にもかかわらず、中国のEV輸出は減速していない。BYDだけでも2026年第1四半期に欧州販売を前年同期比で2倍以上に増やし、約73,500台を登録、フォルクスワーゲン、テスラ、BMWに次ぐ欧州第4位のEVブランドとなった。中国ブランドのBEV市場シェアは欧州で2025年上半期の5.1%から2026年第1四半期には推定8.4%に上昇した。
この物語の海運面も車と同じくらい重要である。
中国は長年にわたり、輸出の輸送をギリシャ、日本、ノルウェーなどの外資系運搬船に依存してきた。それが変わりつつある。BYDは9,200台を運搬可能な船舶を含む自社の自動車運搬船隊を受領した。船そのものが中国製、中国所有、中国人乗組員で運用されている。工場から欧州の港に至るバリューチェーン全体が国家の管理下に置かれつつある。
価格面での競争にすでに苦戦している欧州の自動車メーカーにとって、このニュースは厳しいものだ。中国製EVはより安く、より大量に到着し、それらを届けるインフラはますます同じ中国によって所有されている。関税は流れを遅らせることはできても、構造的な変化を覆すことはできない。上海からの記録的な輸送は例外ではない。それが新たな常態なのである。
雅子 訳

