
高照度光療法は何十年もの間、家具という問題を抱えてきた。光で睡眠障害を治療する古典的な方法は、卓上サイズのライトボックスの前に30分以上座ることだ。たいていは朝食時に、まぶしい光が目に降り注ぐのを浴びながら行う。振戦、こわばり、疲労のためにじっと座っていること自体がひとつの労苦となるパーキンソン病患者にとって、これは治療を受ける上で現実の障壁となる。オランダとポーランドの新しいランダム化パイロット試験は、同じアイデアを、フレームに発光ダイオード(LED)を組み込んだメガネに凝縮できるかを検証する。装着は1日2回、各1時間で、その間も日常生活は続けられる。
睡眠の乱れはパーキンソン病にほぼ常につきまとうもので、その代償は周囲に波及する。日中の機能を妨げ、気分を沈め、患者とその隣で眠る人々の生活の質を損なう。標準的な睡眠薬の多くは選択肢にならないため(この試験では催眠薬や覚醒薬を使用している人は除外された)、薬を使わない選択肢が重要となる。
この装置はChrono Eyewear BV社製で、Propeaqという名称で販売されている。交換可能なレンズと内蔵LEDを備え、外見は普通のメガネと変わらない。介入群の15人は青色レンズを装着し、メガネは波長461 nm(±10 nm)の光を照射して、角膜におけるメラノピック等価昼光照度(melanopic EDI)114.38 luxを実現した。プラセボ群の15人は、赤色レンズを装着した同一のフレームを装着した。LEDのハードウェアは搭載されていたが作動せず、参加者が電源を入れることはできなかった。全員が同じスケジュールに従った。起床後1時間と、希望する就寝時刻の2時間前から1時間、これを2週間続けた。
判明したこと
両群はベースライン時点で似通っていた。平均年齢は約71歳、罹病期間は約8年だった。ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI、値が高いほど悪い)のベースラインスコアは、ブルーライト群が12.27、プラセボ群が11.00で、いずれも臨床的閾値の5を大きく上回っていた。
2週間の治療で両群は変化したが、その度合いは異なった。ブルーライト群は2週目のPSQIが7.87まで改善したのに対し、プラセボ群は9.60だった。この差は傾向にとどまり、まだ有意ではなかった(p = 0.065)。治療終了3週間後の5週目フォローアップでは、差は拡大して有意水準を超えた。ブルーライト群7.13に対してプラセボ群9.40(p = 0.029)だった。群と時間の交互作用は有意で(p < 0.001)、5週目の効果量は、ブルーライト群では大きく(0.896)、プラセボ群では小さかった(0.450)。
日中の眠気はさらに劇的に変化した。エプワース眠気尺度で10点以上と定義される臨床的に問題となる眠気は、ベースライン時点ではブルーライト群の半数(50.0%)に認められた。5週目フォローアップではその割合は6.7%に低下し、この変化は統計的に有意(p = 0.005)で、効果量は0.918と大きかった。睡眠日誌に基づく指標も同様の結果を示し、介入群は記録されたほとんどの項目で改善した。
最も際立った点は、これらの改善が、メガネを返却してから3週間後に測定されたことだ。LEDを消しても効果は消えなかった。朝夕2週間の光が、治療期間を超えて持続する形で概日リズムに働きかけた可能性を示唆している。
なぜ重要か
ライトボックスは効果があるが、身につけられるものではない。このメガネは、典型的なライトボックスの数分の一の強度(角膜でのメラノピックEDIはわずかに114 lux超)で光を照射したにもかかわらず、大きな効果を生んだ。この結果が再現されれば、じっと座っていられない人、旅行が多い人、明るいランプが邪魔になる共有スペースで暮らす人にとって、光療法が実用的なものになる。朝食を作ったり郵便を読んだりしながらメガネをかけることは、ランプの前に居座るのとは別物だ。
この試験はまた、適切な対照を設けるための真剣な試みも行った。作動しないLEDを搭載した同一フレームに赤色レンズを装着するというものだ。これにより、光るメガネを装着する体験は両群で同様になり、プラセボが果たすべき役割を正確に果たす。赤色光そのものが完全に不活性でないとしてもだ。
数値は臨床的な意味も示唆している。PSQIが12.27から7.13に下がれば、重度の睡眠障害から正常範囲の境界へと近づく。臨床的に問題となる日中の眠気を持つ人の割合が、グループの半数から15人に1人へ減るのは、スコアシートだけでなく一日の過ごし方を変えるような変化だ。
限界
これはパイロット試験であり、最も重要な数字は30だ。各群15人では、大きな効果を検出するのが精一杯で、それ以上のことはできない。この試験は単盲検で、参加者は自分がどの色のレンズを装着しているかを知っており、期待効果が生じる余地があった。赤色光プラセボは巧みな方法だが、完全に不活性ではない。赤色光には独自の生理学的効果があるため、両群の差は、真に不活性なプラセボを使った場合より大きく出る可能性がある。
被験者の募集自体が実際的な事情を物語っている。登録期間は2018年1月から2023年1月までに及び、COVID-19パンデミックによる約2年間の中断があった。この試験はPSQIが5に達した人を対象とした。これは通常の基準である5超をわずかに下回るカットオフで、併存疾患の多い集団で募集をしやすくするための現実的な選択だ。その一方で、参加者は日中の眠気や主観的な睡眠の訴えも報告することが条件とされた。他の睡眠障害、重い精神疾患、認知障害(MoCA 24未満)、睡眠薬の使用がある人は除外されたため、結果は比較的選ばれた集団を反映している。また、この試験では、誰が最も恩恵を受けるのか、効果が5週間を超えてどの程度続くのか、実際の生活で毎日メガネを着用する人がいるのかは、未解明のまま残された。
結論
朝1時間、就寝前1時間、2週間にわたってブルーライトメガネを装着したパーキンソン病患者では、睡眠の質が改善し、日中の眠気が大幅に減った。その効果は治療終了後も持続した。効果量は大きく、光の線量は小さく、装置は朝の身の回りの用事をしながら装着できるものだ。だが、30人規模のパイロット試験は概念実証であり、処方箋ではない。この結果は、メガネがライトボックスと同じ働きを、家具なしで実現できることを確認するため、より大規模で長期の、適切に盲検化された試験(理想的には不活性プラセボを用いる)を正当化する。
雅子 訳
出典
Śmiłowska K, de Vries NM, Bloem BR, van Wamelen DJ. Blue light therapy delivered through light glasses improves sleep quality and daytime sleepiness in Parkinson’s disease: A randomized trial. Journal of Parkinson’s Disease. Published online August 6, 2026. doi:10.1177/1877718X261468544. PMID: 42558005.

