
「はやぶさ2」が捉えた二つの頭を持つ小惑星「トリフネ」、地球から1億キロの距離で撮影
日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星トリフネの画像を地球に送信した。画像は、二つの葉片が融合した落花生のような形状 — コンタクト・バイナリー(接触二重小惑星) — であることを示している。7月5日に地球から1億キロ(6200万マイル)離れた地点での高速フライバイ中に撮影された。
光学航法カメラ(ONC-T)で撮影された画像には、幅約450メートルの小惑星が鮮明に捉えられている。同程度の大きさの二つの葉片が首部で結合し、さまざまな大きさの岩石で覆われている。この形状は地上測光が以前に示唆していたことを裏付けるものだが、フライバイ画像はトリフネのコンタクト・バイナリーとしての性質を直接視覚的に確認した初めてのものとなる。
!ONC-T光学画像:小惑星トリフネのコンタクト・バイナリー形状
ONC-T可視光画像。トリフネの二つの融合した葉片が岩石に覆われている様子。提供:JAXA、東京大学、千葉工業大学、東京科学大学、AIST、パリ天文台、IAC
JAXAはまた、TIR装置による熱赤外線画像を公開した。小惑星表面の温度差を示しており、首部付近の影になった割れ目では低温、太陽に面した表面では高温となっている。
TIR中間赤外線疑似カラー画像。トリフネ全体の温度勾配を示す。提供:JAXA、前橋工科大学、千葉工業大学、会津大学、北海道教育大学、AIST
JAXAの元画像は「はやぶさ2」プロジェクトのウェブサイトでも入手可能:JAXAトリフネ画像ページ
1億キロ彼方からの精密射撃
今回のフライバイは、小惑星への高速接近としては過去最接近級となった。探査機は小惑星の中心から約10キロの距離を、秒速5キロ(時速1万1180マイル)の相対速度で通過した。JAXAの運用チーム責任者である三桝裕也氏は、この難しさを「北海道の本島北部にある1円玉を、最南端の沖縄県から撃つ」ことに例えた。
三桝氏は7月6日のJAXA記者会見で「こんなに美しい画像が撮れるとは思わず、ただただ感動しています。鳥肌が立ちました」と述べた。
探査機は接近時に4つの機器 — ONC-T(光学カメラ)、TIR(熱赤外線イメージャー)、NIRS3(近赤外線分光計)、LIDAR(レーザー高度計) — を使用した。光学画像と熱画像のみがこれまでにダウンリンクされており、残りの科学データは今後の運用で送信される予定。
リュウグウからトリフネへ、そしてその先へ
「はやぶさ2」は2014年12月に打ち上げられ、2020年12月に小惑星リュウグウから5.4グラムのサンプルを地球に届けた。トリフネへのフライバイは、拡張ミッション「はやぶさ2#」(別名「Sharp」)の最初の主要マイルストーンとなる。探査機は打ち上げ以来、約107億キロを飛行している。
トリフネ — 命名前は(98943) 2001 CC21と指定され、日本の神話に登場する「神の船」を意味する神に因んで名付けられた — は、アポロ群に属するS型(石質)の地球近傍小惑星で、自転周期は約5時間。このフライバイは惑星防衛の技術実証も兼ねており、将来の運動エネルギー衝突ミッションに必要な高速光学航法技術の試験が行われた。
「はやぶさ2#」の次の目標は、幅約30メートル、5〜10分という極めて高速な自転周期を持つ小型小惑星1998 KY26。探査機は2027年と2028年に2回の地球スイングバイを行った後、2031年7月頃に到着する見込み。成功すれば、1998 KY26は探査機が訪れた最小の小惑星となる。
雅子 訳

