
ウクライナ軍の無人機攻撃により、タタールスタン共和国にある人口約24万人の都市ニジネカムスクで、子どもを含む13人が死亡した。この都市はウクライナ国境から1,200キロメートル(746マイル)以上離れている。負傷者は75人に上った。ウクライナ軍は石油精製施設を攻撃したと発表した。ニジネカムスクは石油化学プラントと製油所2基を擁する石油の拠点であり、攻撃はその周辺の住宅地にも及んだ。
ロシアの石油を標的とした無人機戦争ではこれまでにも死者が出ていたが、多くは製油所の近くで1人、2人といった規模だった。ウクライナはロシアの精製能力への攻撃を数カ月にわたって続け、モスクワにとって戦争を続ける代償があまりに高くなるようにしようとしている。この作戦は、ウクライナの兵士を危険にさらすことなくロシア経済を直撃する長距離制裁として位置づけられている。この作戦によってロシアの精製能力の5分の1が停止し、燃料不足が発生し、ガソリン価格が上昇した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は月曜日、こうした施設への攻撃こそがキーウがモスクワへの圧力を強める手段だと述べた。
攻撃はTANECO製油所とその周辺を襲った。こうした攻撃を通常はテロ行為と表現するロシア当局は、子どもの死亡を引き合いに出して、ウクライナが市民を攻撃していると主張するだろう。キーウ当局は標的は産業施設だったと強調している。
今回の攻撃は、製油所へのいかなる損害も打ち消せないほどのプロパガンダ上の勝利をクレムリンに与え、これまで戦争の代償をほとんど感じずに済んできたロシア国民に、その代償を突きつけた。この作戦の論理は変わらない。燃料を叩き、戦時経済を飢えさせ、モスクワに前線と給油所のどちらかを選ばせる。双方は今や同じやり方で戦争を遂行している。相手の経済を攻撃し、市民の代償を受け入れ、その結果を軍事上の必要性と呼ぶ。ロシアはウクライナの港湾と送電網に対してそうしてきた。ウクライナはロシアの製油所に対してそうしている。ロシアは都市、病院、エネルギーインフラへの意図的な攻撃で数万人のウクライナ市民を殺してきた。一方、ウクライナがロシア国内で殺した人数ははるかに少なく、攻撃の大半は軍事・産業施設を狙ったものだった。違いは規模だけであり、月曜日に13人を埋葬した家族にとっては、それは冷ややかな慰めにすぎない。
ウクライナは今後も製油所への攻撃を続けるだろう。この作戦は、目に見える形で効果を上げている数少ないウクライナ側の切り札の一つであり、どちらの側も相手に打撃を与える攻撃をやめる余裕はない。だが、次の攻撃はニジネカムスクの記憶とともに計画されることになる。市民を殺さずに政府に圧力をかける方法という問いに、この戦争には良い答えは存在しない。
雅子 訳

