
欧州連合(EU)の国防・宇宙担当委員を務めるアンドリウス・クビリウス氏は、多くの欧州国防当局者がここ数カ月考えていながらも口にすることを控えてきた見解を明確にした。すなわち、今や欧州はウクライナを必要としており、その度合いはウクライナが欧州を必要とする度合いを上回っているという認識である。
クビリウス氏はフォーリンポリシー誌に対し、欧州はこれまでウクライナをいかに支援するかという観点で物事を考えてきたが、今ではウクライナがどのように欧州を支援できるかに目を向けていると述べた。
この逆転の背景には、欧州の安全保障を一変させる二つの変化がある。第一に、米国は「NATO 3.0」と呼ばれる枠組みのもとで欧州への軍事コミットメントを縮小し、中国への対抗を目的としてインド太平洋地域に資源を振り向けている。第二に、ウクライナ戦争は、戦争の未来が無人機(ドローン)と自律型システムにあることを証明したが、欧州はそれに対応できていない。
クビリウス氏は、欧州の国防課題は過去100年にわたって見られなかったものだと表現した。EUはウクライナの国防産業に680億ドルを拠出し、自国加盟国向けには1700億ドルの国防融資を約束している。しかし、問題はもはや資金だけではない。戦略の問題である。
最も緊急性が高いのはドローン革命である。ウクライナは戦争中にゼロからドローン軍を構築し、従来の欧州国防産業には不可能なペースで革新を遂げてきた。クビリウス氏は、ドローン技術は2カ月で陳腐化しつつあり、備蓄には意味がないと警告した。解決策は、製造の増強能力を維持し、部品を常備し、訓練された操縦者を待機させることにあると同氏は述べた。
クビリウス氏は、欧州は従来型産業の利害に拘束されてはならないと述べ、高価で開発期間の長いシステムの構築に依存するビジネスモデルを持つ欧州の国防請負業者を暗に批判した。
最大の脅威は、ロシアが年間1000万機のドローンを配備する能力を持っていることだとクビリウス氏は指摘する。欧州にはこれに相当する産業能力は存在しない。
調達に関して、クビリウス氏は大西洋を挟んだ不均衡を指摘した。欧州は装備の40%を米国から購入している一方、米国が欧州から購入する装備はわずか1~2%に過ぎない。同氏は相互主義を求めたいと述べた。
新しいモデルの一端を示すのが、パトリオットミサイル防衛システムに代わるより安価で迅速な代替案を開発するための欧州・ウクライナ共同プロジェクト「FREYJA」である。このプロジェクトはオープンアーキテクチャを採用しており、異なるメーカーのレーダーを統合できる。ウクライナの開発者がミサイルを製造し、欧州パートナーがレーダーとシーカーを提供する。
クビリウス氏はまた、米国に対し、NATO 3.0のもとで欧州から撤収する兵力と装備の詳細を明確にするよう求めた。その隙間を欧州が埋めるためである。欧州は覚悟を決める必要があると同氏は述べた。
雅子 訳

