ウクライナとイランの「戦争」、新たな舞台はカスピ海

この10年で最大級の二つの戦争が、これまで互いに隔てられていた場所で交錯しました。イランは、カスピ海においてイラン民間船がウクライナから攻撃を受け、船員1名が死亡、1名が負傷したとして、ウクライナに報復の構えを示しています。

アッバス・アラグチ外相はロシアおよび欧州の外相に対し、この攻撃に反応しないわけにはいかないと伝えました。イランは在テヘランのウクライナ臨時代理大使を召喚し、敵対的かつ犯罪的な行為であると非難しています。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、攻撃を受けた船がイラン所有の乾貨物船「アナ」であり、ロシアのアストラハン市から民間貨物を積んで出航したと明らかにしました。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この攻撃を否定しませんでした。先ごろ、Xへの投稿で、ウクライナはカスピ海における長距離攻撃で極めて大きな成果を挙げたと述べ、その中にはイランが関与する軍事貨物の輸送に使われた船舶や軍艦も含まれているとしています。

今回の出来事は、米国とイランの戦争と、ロシアとウクライナの戦争が初めて直接的に交錯した事例となります。この二つの紛争は4年以上にわたり並行して展開されてきました。ウクライナは陸上でロシアと戦い、イランはペルシャ湾やホルムズ海峡で米国やイスラエルと戦ってきました。カスピ海はそれらをつなぐ地理的な要であり、ロシア、イラン、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンに囲まれた閉鎖水域で、これらすべての国が何らかの形で一方または両方の紛争に関わっています。

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イランは長年にわたり、ウクライナや西側諸国から、Shahed型無人機をロシアに供与し戦争に使用させていると非難されてきました。テヘランは2022年の侵攻前に無人機をモスクワに送ったことは認めているものの、侵攻開始以降の兵器提供は否定しています。ウクライナによる「アナ」への攻撃は、キーウが異なる認識を持っていることを示唆しています。

アラグチ外相はEUのカヤ・カラス外交政策上級代表とも個別に会談し、地域の平和に向けて予測不可能な結果をもたらす可能性があると警告しました。またイランは、ウクライナがイスラエルの指示で行動したと主張しています。この主張は信憑性に疑問がありますが、テヘランが今回の事件を敵による戦線拡大の試みとして位置づけていることを示しています。

カスピ海は、ペルシャ湾における米国の海上封鎖下にあって、イランにとって商業上の生命線となってきました。ウクライナがそこで船舶を攻撃できるようになれば、かつてはウクライナ領土内に限られ、その後ペルシャ湾に広がった戦争は、今や第三の地理的前線を獲得したことになり、第四、第五、第六の前線が出現することも想像に難くありません。

雅子 訳

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