AI設備投資が1兆ドルの大台を突破、次の7450億ドルは12か月以内に

世界の四大ハイパースケーラーは2023年初め以降、AIインフラに1.1兆ドル超を投じてきた。そのペースは頭打ちになるどころか、加速している。各社の最新の決算報告を集計したフィナンシャル・タイムズ(FT)によると、アマゾン、グーグル、メタ、マイクロソフトは2026年だけで累計額に約7450億ドルを上乗せすると見込まれる。1年間の総額としては、このグループがそれまでの3年間に費やした合計に迫る規模だ。

直近の決算シーズンに開示された各社のガイダンスは、その規模を示している。アマゾンは通年の設備投資予想を約2200億ドルに引き上げ、マイクロソフトは1900億ドル規模を計画している。アルファベットは1750億〜2050億ドルにレンジを拡大し、メタは1150億〜1350億ドルを割り当てた。資金の大半は、データセンターとアクセラレーター、そしてそれらを稼働させるために必要な電力インフラに充てられる。

ウォール街のアナリストは、短期的な緩和はないとみている。RBCキャピタルのリシ・ジャルリア氏は決算発表後、投資家は現在、AI関連の設備投資の資金を確保することと、そもそもこうした大規模投資を可能にする潤沢な現金を生み出してきた収益の柱を守ることの間で、綱渡りを迫られるとの見方を示した。この緊張は市場の反応にも表れている。記録的な決算は、設備投資の見通しが収益の見通しを上回るたびに、売りで迎えられてきた。

設備投資のコストは、この4社の枠を超えて広がっている。米国の電力会社は、データセンター施設に電力を供給するため、数十億ドル規模の送配電網の増強を迫られており、そのコストは家庭の電気料金に転嫁されつつある。ハイパースケーラーや電力会社、州当局が署名したホワイトハウスの料金支払い者保護誓約(Ratepayer Protection Pledge)は、これまでのところどの州でも法制化されていない。2025年に成立したオレゴン州のPOWER法は、20MW超の電力を使用する大口需要家の電力料金に30%の割増金を課す一方、家庭用の電気料金を1.3%引き下げる。

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ハードウェア面では、ハイパースケーラーが高帯域幅メモリー(HBM)に割高な価格を支払う姿勢を示したことで、マイクロン、サムスン、SKハイニックスは従来型DRAMよりもHBMの生産を優先するようになり、昨年から始まった民生用メモリーの不足が深刻化している。その波及は自動車業界にも及んでいる。GMは大幅なコスト増を警告し、比亜迪(BYD)は運転支援パッケージの価格を20%引き上げた。格安スマートフォンにも広がっており、メモリーが部品表(BOM)コスト全体の最大64%を占めるケースもある。アップルは、サプライヤーに対する歴史的な影響力にもかかわらず、先月MacとiPadの価格を引き上げ、エントリーモデルのMacBook Proは400ドル値上がりして1999ドルとなった。

中心的な論点は、AIによる収益が投入された資本にいずれ追いつくかどうかだ。強気派は、収益化に数年を要したクラウドコンピューティングのようなプラットフォーム転換の前例を挙げる。懐疑派は、4社のいずれもAIインフラから本格的な規模でプラスのリターンをまだ実証していないと指摘する。もはや議論の余地がないのは、その規模そのものだ。現在の見通しに基づけば、1兆ドルの大台は節目ではなく、基準点にすぎない。

出典: ビッグテック、AIインフラに1兆ドル超を支出、2026年だけでさらに7450億ドル追加へ (Tom’s Hardware、2026年7月31日); ハイパースケーラーの設備投資に関するフィナンシャル・タイムズの報道 (Financial Times); ビッグテックの設備投資急増、アマゾン・マイクロソフト・アルファベット・メタが2026年に7500億ドルを支出へ (Gate News、2026年7月31日); 2026年のテック企業のAI支出、7000億ドルに接近 (CNBC)

雅子 訳

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