暗号化メッセージアプリ「Session」、ユーザーの支援で存続へ

分散型暗号化メッセージアプリ「Session」は、数千人のユーザーが資金難のプロジェクトを救うために寄付を行い、7月に予定されていたサービス終了を回避して運営を継続することになった。

Sessionは、2,000以上のノードからなるネットワークを通じてメッセージをルーティングし、IPアドレスを隠蔽してメタデータを排除する。同アプリは4月、7月8日初頭までしか重要なインフラを維持する資金がないと警告していた。運営元の非営利団体Session Technology Foundation(STF)は有給スタッフと開発者全員を解雇し、ボランティアだけでサービスを継続させていた。

「これらのほとんどは、Sessionの存続を願う一般の人々からの少額の寄付です」とSTFのアレクサンダー・リントン会長は述べた。「これは、プライベートで検閲耐性のあるコミュニケーションの必要性について、力強い何かを物語っています。」

コミュニティ主導の支援により、プロジェクトは閉鎖を回避し、Sessionと名付けられる以前からプロジェクトに携わってきた主任ソフトウェアアーキテクトのジェイソン・ライネランダー氏が率いる縮小チームでの開発継続に十分な資金が確保された。

Sessionのアーキテクチャは、主流の暗号化メッセンジャーとは一線を画している。ユーザーは電話番号やメールアドレスなしで登録でき、メッセージは中央サーバーではなく分散型オニオンネットワークを介してルーティングされる。この設計により、監視と検閲が蔓延する地域のジャーナリスト、活動家、人権活動家の間で同アプリは欠かせないツールとなっている。あるユーザーは「オーウェル的な未来と戦うための重要なツール」と評した。

今回の資金危機は、独立系プライバシーツールが直面する構造的な課題を浮き彫りにした。すなわち、非中央集権と企業統制からの自由を売り物にするプロジェクトでも、インフラ、セキュリティアップデート、プロトコル開発のための安定した資金が必要だということだ。Sessionは4月までに約65,000ドルの寄付を集めていたが、これはコアサーバーを90日間維持するには十分だが、開発者を維持するには不十分だった。

再開された開発ロードマップは、耐量子暗号の完成と、長期的にプロジェクトを自立させるための有料Proティアの提供に焦点を当てている。Sessionの月間アクティブユーザー数は約170万人。

出典:’A critical tool for fighting against an Orwellian future’ 、 Why users of this encrypted messaging app are helping keep the project alive(TechRadar、2026年7月10日);Session avoids shutdown as community donations save the project(CyberInsider、2026年6月16日)

雅子 訳

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