米国10MWe原子炉が臨界を達成、データセンター向け商業電源へ

2026年7月4日、Aalo Atomics社はアイダホ国立研究所(INL)にて自社のAalo-X臨界試験炉で、「臨界」と呼ばれる自己持続性核分裂連鎖反応を達成した。これは、40年以上ぶりに米国で新型ナトリウム冷却炉が稼働した画期的な出来事である。

同試験炉は10メガワットの電気出力(MWe)を生産し、同社が計画する商用製品「Aalo Pod」と同じ実寸大の炉心コンポーネントを採用している。このマイルストーンは炉心設計を実証し、米国原子力規制委員会(NRC)による商用展開の承認を目指す同社の立場を強化するものだ。

「10MWeのAalo-X原子炉設計は、現代のデータセンター向け最有力の電源供給者としての地位を確立するものです」とAalo Atomics社のCEO、マット・ロザック氏は述べた。「臨界達成は私たちにとって最も重要なマイルストーンです。Aalo Podの展開による商業データセンターへの電力供給への道を開くものです」

創業から核分裂まで、異例の速さ

Aalo Atomics社は創業から3年足らずで、原子力業界としては異例の速さで開発を進めている。同業界ではプロジェクトに10年以上かかるのが一般的だ。アイダホ国立研究所の原子炉建屋は、更地からわずか6カ月で稼働施設へと変わった。

同社のペースはトランプ政権の目標も上回った。エネルギー省のクリス・ライト長官は、トランプ大統領が建国250周年までに3基の先進原子炉の臨界達成を求めたことに言及し、「Aalo、INL、DOEの献身的な努力により、その要請を上回る4基を達成しました」と述べた。

Aalo-Xの燃料棒はGEベルノバ社の子会社グローバル・ニュークリア・フューエル社が製造し、2026年4月にアイダホ州へ納入された。

商業計画とパートナーシップ

Aalo Podは、ナトリウム冷却式Aalo-1原子炉5基で構成され、単一タービンを駆動する50MWeシステムとして設計されている。原子炉は空冷式で外部水源を必要とせず、水不足地域でのデータセンター展開において大きな利点となる。

Aalo社は商業価格を1キロワット時あたり3セント(約2.4ペンス)に設定しており、これは新設の天然ガス発電所や太陽光発電所と競合可能な水準である。

同社はすでにアイダホ国立研究所で2基目の原子炉「Project Ascension(アセンション計画)」の作業を開始しており、これはオンサイトのデータセンターに電力を供給する商用規模のシステムとなる。Aalo社はNRCの承認を前提に、18カ月以内にAalo Podの商用展開が可能と見込んでいる。

またAalo社はマイクロソフトおよびNvidiaと提携し、原子炉群を管理する自動共同操縦システムを開発している。これは原子力とAIインフラの深い統合を同社が構想していることを示している。

テキサス州オースティンにある同社の工場は、3,716平方メートル(約40,000平方フィート)の規模で、原子炉モジュールを製造し、展開先のサイトへ輸送して組み立てを行う。この製造アプローチにより、Aalo社は従来の原子力建設よりはるかに速い生産拡大が可能だとしている。

Sources: US 10-MWe nuclear reactor reaches criticality for commercial data center power (Interesting Engineering, July 6); Aalo Atomics Unveils Critical Test Reactor (Aalo Atomics, March 2026); Aalo Atomics breaks ground on experimental nuclear reactor (Data Center Dynamics, September 2025); US Department of Energy press release (July 2026)

雅子 訳

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